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古民家・旧家リフォームの一般社団法人 古みんか倶楽部 岐阜

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木造の長持ちと同時に木材の弱点を知る〜一般社団法人 古みんか倶楽部岐阜〜

2016年11月19日

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防除衛生管理業の永嶺です。
古くから先人たちは、建物に多くの知恵を取り入れて来ました。

建物は棟梁の棟上げからそれぞれ職種が加わり、またそれぞれの分野で長持ちするよう知恵を凝らして建てて来ました。

それが私たち倶楽部が専門的に携わっている、古民家と呼ばれる木造の建物です。

木造の建物を長持ちさせるためには、幾度となく失敗を重ねて来た事でしょう。
また各地方には、その地域に適した方法や技法が用いられています。

この木造家屋の「長持ち」という観点の裏側には「弱点を捉える」という考えが含まれています。

古民家という建物の弱点は3つあります。
①水に弱い
②虫に弱い
③火に弱い

これは古民家に限ったことではありませんが木造家屋の弱点です。
これらを克服するためには多く手段が用いられています。

とくに水に弱いというのが木造家屋の大きな弱点です。
そのためベンガラや漆、石灰などが原料として使われてきました。

その他にも燻したり、継手で加工したり、水廻りを棟外しにしたりと工夫と知恵が凝らしてあります。

ベンガラには防虫効果があると先日どなたかのブログに紹介されていましたが、残念ながらベンガラには防虫効果はありません。

少し間違った認識をしておりますので訂正しておきますが、たとえベンガラを木材部へ塗ってあったとしても、キクイムシやシロアリの被害をくい止めることはできません。
つまりベンガラには防虫効果はないということです…

先人たちは防虫を目的としてベンガラを使用したのではなく、防腐を目的としてベンガラを使用してきました。

もちろん現在でも建築にはベンガラを用いる事がありますが、木材の細部までベンガラが浸透しやすいよう油分の多い柿渋等と混合して使用するのがベンガラの古くからの使用方法です。
これらを何度も繰り返し塗布することで木材の撥水性が高められるのであります。

ちなみに塗布という字は「塗る」と「布」という字体が使用されていますが、ベンガラは塗るだけでなく、乾いたら綿布で擦って艶出しをし、再度塗布をします。(これを繰り返し行うことで細部までベンガラは浸透していきます。)

また、ベンガラの主成分は酸化鉄です。
シロアリは土壌pH値が5〜6の弱酸性土壌を好みますので、経年変化で流されたベンガラ周辺の土壌は弱酸性土壌になりやすく、シロアリにも食害されやすいという結果になります。

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それを防止するため江戸末期頃から習慣的に毎年行われたのが「清潔法の習慣」です。
清潔法は、伝染病予防のために明治後期に制定されました。床下土壌を弱酸性からアルカリ性にすることで、菌(腐朽菌も含む)の増殖を防ぐことを目的として、石灰が多く用いられてました。

現在でも家畜の口蹄疫やインフルエンザが流行すると、豚舎や鶏舎などに石灰が撒かれたりします。

これまで防虫を目的に使用されたのは主に油系や樹脂系の材料でありますが、冬に行われた伐採や葉枯らし乾燥も防虫効果を目的に行われた方法です。その他、防腐を目的に行われたのが建物の燻しと地盤転圧による乾燥になります。

このように防腐効果なのか防虫効果なのか?木材の弱点をしっかり分けて把握しておかないと、先人たちが使用して来た手段や目的を間違った認識で説明してしまいます。

本来、防腐効果と防虫効果は同じ意味として捉えてはいけません。

木材防腐とは?木材を腐れにくくする方法で、防虫とは木材が害虫に食されにくくする方法です。

この分野の専門として、防腐効果と防虫効果は全くの別物であるということをここで補足しておきます。

しかし、そのような捉え方をしている建築家がまだまだ多いということに、しっかりと大切なことを伝えていかなければなりませんね。

 

いかがでしたか?
本日は防除衛生管理業 永嶺のお話をご紹介させて頂きました。
古みんか倶楽部岐阜では日替わりで古民家について専門家のお話を掲載致します。
毎週土曜日は防除衛生管理業 永嶺のコーナーです。
明日は解体業 榊原のお話をご紹介させて頂きます。

☆古みんかライター 事務局長 永嶺☆

 

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